シジミチョウの一種ヤマトシジミへの放射線影響を研究している琉球大学大瀧研究室の最新論文が、オープンアクセスの学術誌『BMC Evolutionary Biology』(Vol.14, No.193)に掲載されました。
第1世代への影響に加え、2世代連続で汚染食草を与えた場合の影響(継代効果)についても調べたこの研究では、東北地方の食草を与えた群(本宮市:161Bq/kg、郡山市:117Bq/kg)に、沖縄県の食草を与えた群(0.2 Bq/kg)と比較して高い死亡・異常率、前翅の矮小化がみられ、死亡率はセシウムの摂取量に大きく依存していたそうです。第2世代では、東北地域の食草を与えた群の生存率は20%を下回り、沖縄の食草を与えた群では70%を超えました。さらに、第2世代でも前翅の矮小化がみられ、これは2世代を通じたセシウムの累積摂取線量と相関が認められました。ここから、セシウム摂取の影響は継代的だが非汚染食草の摂取により回復も可能であることが示唆されました。
▼詳しくは下記リンクをどうぞ。
“Ingestion of radioactively contaminated diets for two generations in the pale grass blue butterfly”(本論文)
http://www.biomedcentral.com/1471-2148/14/193
大瀧研究室による日本語概要
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/bcphunit/papers.html
『Science』誌による同論文に関する速報(英語)
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2014/09/fukushima-radiation-still-poisoning-insects