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トップページ 助成先活動情報 『浸透性農薬に関する世界的な総合評価書』全8章公開
【浸透性農薬タスクフォース】

今年6月、東京の参議院議員会館で成果発表会が開催された『浸透性農薬に関する世界的な総合評価書(Worldwide Integrated Assessment on Systemic Pesticides)」の全8章(英文)が、浸透性農薬タスクフォースの特設ウェブサイトで公開されました。

同評価書は、環境への悪影響に確かな科学的根拠がないとされてきたネオニコチノイド系農薬問題に独立の立場から明確な指針を打ち出そうと、世界15カ国から集まった53名の科学者たちが、同農薬に関する既出論文約850本を精査し、4年がかりでまとめたものです。

マニラ、オタワ、ブリュッセルでの報道発表に続き、6月26日に行われた東京でのプレス向け研究成果発表会では、ハチだけでなく鳥類や水生生物への影響も深刻だという結論を発表し、「規制当局がネオニコチノイドとフィプロニルに対して予防原則とより厳格な規制を適用し、全世界での段階的廃止の計画、少なくとも世界規模の使用を大幅削減するための構想を立て始めること」が提言されました。

6月の発表後、ヨーロッパに遅れをとっていた北米では、規制に向けた動きが活発になってきています。これまで章ごとに段階的に発表されてきた評価書の全体が公開されたことで、日本でも科学的かつ公平なネオニコチノイド系農薬に対する見直しが行われるよう期待します。

なお、同評価書の日本語版は現在、abtの助成により研究者グループが作成に取り組んでおり、2015年3月には完成予定です。

『浸透性農薬が生物多様性と生態系に及ぼす悪影響に関する世界的な総合評価書』(英語原文)
The Worldwide Integrated Assessment of the Impact of Systemic Pesticides on Biodiversity and Ecosystems
http://www.tfsp.info/worldwide-integrated-assessment/ 

▼参考
「浸透性農薬に関する世界的な総合評価書」東京で発表会(abtフェイスブック記事 6/30)
https://www.facebook.com/actbeyondtrust/posts/658513094224793

「浸透性農薬に関するIUCN東京シンポジウム2013」(2013年6月11日)の動画記録・発表資料・予稿集など
https://www.actbeyondtrust.org/iucn-sympo-2013/

「浸透性農薬に関するIUCN東京フォーラム」(2012年9月2日)の動画記録・発表資料・予稿集など
https://www.actbeyondtrust.org/iucn-tokyo-forum-120902/