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トップページ 助成先レポート 西日本アグロエコロジー協会現地調査レポート

広報担当者の島内です。愛車はエストレアのエクレアちゃんです。

2023年8月4日、今年度の公募助成先の一つである西日本アグロエコロジー協会の現地調査に、京都からバイクで一時間半かけて行ってきました。

調査地は滋賀県高島市にあり、有機農業水田と慣行農業水田が隣接しています。調査では、それぞれの水田に生息する陸生昆虫と水生昆虫、水のサンプルを採取している様子を見学しました。

調査には中池見ねっと藤野さん、近畿大学名誉教授の池上先生、地元の子どもとその保護者の方が参加しました。

藤野さんと池上先生は、水田の4か所に設置された粘着テープを回収することから作業をはじめました。このテープはとても小さな虫でも捕まえることができるそうです。

 

 

 

 

 

 

確かに、目を凝らすと黒い砂粒のようなものがたくさんついています。虫が苦手な人が見れば鳥肌が立ってしまうかもしれません。

藤野:網では取りきれないような細いものも面白いですね。
池上:そうですね。くっついているのでひっくり返したりできず、厳密に何かっていうのは中々わからない。でもだいたいのところはわかる。
藤野:ひっくり返せても、なかなか難しいと思う。
池上:もちろん難しい。こんなちっこいのわからん。

二人は冗談を交えながら、仕掛けたトラップを回収していきました。トラップの回収が終わると、水田を一周して、稲についている虫をタモ網で採取する作業に移ります。初心者の私でもわかりやすく、何をしているのか丁寧に教えてくれました。

 

 

 

 

 

 

藤野:スイーピングといって、移動しながら稲の葉をすくうようにタモ網を往復させます。そうすることで、バッタなどのある程度大きい虫を捕まえることができます。
網の中を見せていただくと、先ほどのトラップと違い、イナゴや蜘蛛など目視できる大きさの虫が採れています。今回の調査で採れた虫は無水エタノールにつけて持ち帰り、分析するそうで、有機農地と慣行農地に分けた袋にそれぞれ保管していきます。

陸生昆虫の採取が終わったら、次は水生昆虫の採取をすることになりました。小さな手持ち網を使って、泥ごとすくい上げていきます。

網の中を見るとガムシの幼虫にカゲロウの幼虫、¬ヒメモノアラガイ、ヤゴなど様々な種類の生き物を確認できました。残念ながら有機農業水田は水を張ったばかりだったので、水生昆虫を見つけることはできませんでしたが、藤野さんは「これはこれで調査の結果、全然大丈夫」と、子どもが落ち込まないように明るくお話しされ、採取した虫を指差しながらわかりやすく解説してくれました。

 

 

 

 

 

 

藤野:これをカゲロウの幼虫やね。カゲロウもトンボとかと同じような暮らしをしていて、幼虫は水の中に居るけれども、親になると空を飛べるようになります。これはヒメモノアラガイ、これも巻貝の仲間だ。わかる? ちゃんとクルクルしているやろう。この田んぼでは初めて見たわ。住んでいるんだね。いいですね。これまた持って帰って詳しい種類を調べてみたいと思います。

最後に藤野さんは稲を食べる昆虫を見つけ、子どもに諭すようにやさしく語りかけました。

藤野:この虫たちが悪いというわけではなくて、たまたま私たちが食べるお米の汁を吸うからちょっと困るなーってだけで、悪さしてやろうと思って悪さしているわけじゃないから。そんな私たちもこいつらを憎い、殺してやろうと思う必要はないんやけど、うまく付き合っていく方法がないかなとか、他にもこんな虫を食べてくれる虫がもっといてくれたらいいんじゃないかなとか考えたりしてます。たとえば、蜘蛛は他の虫も食べてくれるので役立ちますね。お米を食べる虫を食べてくれる生き物がいっぱいいますね。

今回は熱中症対策として朝の数時間で調査は終了しましたが、助成先の活動を間近で拝見し、有意義な時間を過ごすことができました。

最後に藤野さん、池上先生、現地調査への同行を許可していただき感謝申し上げます。