長年にわたる反対運動がありながら、日本政府が頑なに推進を掲げる核燃料サイクル政策。技術的な問題点や膨大なコスト、プルトニウムを大量保有することによるリスクなど、専門家やNGO/NPOからは様々な問題点が指摘されています。日本が原子力発電をやめることができない構造的要因そのものという見方もあるほど、本来は極めて重要な政治的イシューです。
しかし、こうした問題がマスメディアで大きく取り上げられることも、政治の舞台で目立った論点として扱われることもほとんどありません。問題自体の難解さも手伝って、原発反対の立場でも核燃料サイクルに関し十分な知識を持っている人は多くないでしょう。さらに、メディアでも事実上タブー扱いされていることが、問題を見えにくくする一因と思われます。
このような複雑さを孕みながら不可視化されている核燃料サイクル政策について、情報発信や議論喚起のために粘り強く活動する市民団体や、忖度しないジャーナリストを招き、2023年9月15日に表題のオンラインセミナーを開催しました。どうやって理解を深めれば良いかを学びつつ、なぜメディアや政治に重要な話題として扱われないかを考えました。
※以下では登壇者が発表の際に使用した資料と当日の映像アーカイブを公開します。
イベントの文字起こしを含む記事はこちら。
・核燃料サイクルを考える手がかり(松久保肇/NPO法人原子力資料情報室)[PDF]
・日米の高速炉開発協力ーー再処理と核燃料サイクルの延命策(猿田佐世/新外交イニシアティブ(ND)代表・弁護士)[PDF]