公正で持続可能な社会づくりをエンパワーする

empowering actions for just and sustainable society

トップページ 助成先レポート 2023年度《エネシフ部門》助成企画の成果をご紹介!!

福島原発事故後の野生ニホンザルへの影響

羽山伸一さん(日本獣医生命科学大学教授)は、福島市に生息するニホンザルの解剖調査を原発事故以前から行ない、事故後は継続して放射性被ばくの影響を調べています。2024年に公表された論文では、妊娠可能なメスの被ばく前後における受胎率の変化を調べました。8才以上に限ると、被ばく前に比べて被ばく後で受胎率の低下が見られ、その原因の一つとして総累積被ばく量(累積内部被ばく量+累積外部被ばく量)の影響が考えられるそうです。 

日米共同で進む高速炉開発の最新情報

新外交イニシアティブ(ND)は、現在、日米共同で推進されている高速炉開発について、二度の訪米調査により実態を調査しました。調査の成果は「アメリカの最新原子力事情と日本」と題したシンポジウムで報告されています。米国では気候変動や対中・ロ対策を建前に原子力産業の立て直しが図られています。日本でも歩調を合わせるように原発回帰・核燃料サイクル堅持の政策が取られる中、米国の最新情報に接する貴重な報告となりました。アーカイブが公開されているので、ぜひご覧ください。 

泊原発周辺の地域づくりを考える

泊原発立地4町村住民連絡協議会は、原発や核廃棄物(核ゴミ)などの交付金に依存しない、地域資源を活用したまちづくりを考えています。2023年度には、これまでこの地域に投下された原発マネーがどのように使われたかを検証した上で、豊富な地域資源の活用を提案しています。また、核ゴミの地層処分に関する文献調査地となった寿都(すっつ)町民への全戸アンケートも行ないました。それらの結果は小冊子にまとめ、ウェブで公開しています。

福島第一原発を市民の目で記録・モニタリングする

秋田放射能測定室『べぐれでねが』は、食品などの放射能汚染に関する精密測定のほか、近年は市民によるモニタリングとして空撮映像で福島第一原発の現状を発信する活動も行なっています。2023年度は処理汚染水放出の後まもない9月に撮影を行ない、発表しています。ブログでは空撮映像や精巧な写真とともに、発電所の構内設備について解説しています。2024年度も福島第一原発の空撮を継続するとともに、震災後の能登の状況もレポートしています。