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トップページ 助成先レポート 2023年度の助成成果紹介(ネオニコ)

昨年度のネオニコチノイド公募助成成果をご紹介します。

#1 オーガニックマーケットでローカルアクション!

「子どもたちのオシッコと母乳のネオニコ調査」を実施した、静岡県藤枝市のれんげじオーガニックマーケット。毎月マーケットを開催し、地域のオーガニック生産者を応援しながら、食・農・環境を考えるためのメッセージも発信しています。助成対象企画では、地域のお母さんたち向けにネオニコチノイド系農薬の学習会や上映会を開催し、母乳と子どもの尿を集めてネオニコ濃度を調べました。今後も、食を通じて環境を考える身近な活動を模索していくそうです。

開催レポート「れんげじローカルアクション!始まってます!」(2023.5.21)

最終報告書

#2 水の汚染を調べてみたら……

「デトックスプロジェクトで疑念の残る私設井戸水の調査とオーガニック関連の店舗とのコラボによるカエルとのトーク動画の拡大」は、くまもとのタネと食を守る会がabtの助成4年目に取り組みました。これまで動画制作やイベントを通じ、ネオニコチノイドの問題を地域の人たちと一緒に考えてきました。今回のテーマは井戸水と水道水。毎日の暮らしに欠かせない「水」の安全を調べてみると、調査前の予想とは異なる結果に。地元のカフェでの動画上映会も展開しています。

『硝酸態窒素とネオニコチノイド系農薬を調べる水の検査報告会報告書』(2024.4.3)

動画『#カエルでもわかる熊本の水の話』前後編(2024.3~4)

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#3 子どもと一緒に田んぼの生き物調査

「農家と消費者の参加型調査による農薬の圃場生態系への影響比較」を実施したのは、abtの助成3年目となる特定非営利活動法人・西日本アグロエコロジー協会です。滋賀県高島市と兵庫県丹波市の水田で、昆虫の生息状況とネオニコチノイド系農薬濃度の関連を、市民参加の生き物調査で観察しています。2023年度は、大規模農家への聞き取り調査や、「生きものブランド米」に関するアンケート調査も行ないました。

『生き物でにぎわう田んぼを求めて—田んぼの生き物調査報告書2023年度—』(2024.4.2)

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#4 ネオニコ影響をひ孫世代まで調べる

「ネオニコチノイド系農薬による母性行動への継世代影響」は、今回5年目になる神戸大学大学院農学研究科動物分子形態学分野の星研究室による企画です。マウスを使い、クロチアニジン投与の影響を子、孫、ひ孫の世代まで追跡しました。きちんと巣を作れるか、巣から離れた仔を素早く連れ戻せるかといった行動観察のほか、血中オキシトシン濃度などを調べています。この実験では、胎児や授乳中の曝露が、将来母親になったときの母性行動に影響を与えることが示唆されています。

招待講演「ネオニコチノイド系農薬最新研究&農薬再評価の問題点」有害化学物質から子どもを守るネットワーク(子どもケミネット)・JEPA 共催学習会(2023.7.9)

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#5 映画で考えるオーガニックの未来

「岐阜県の給食オーガニック化を進める上映会」は、給食ネットワーク岐阜による2年目の企画です。昨年に引き続き、県内のさまざまなグループと提携して、『食の安全を守る人々』や『静かな汚染、ネオニコチノイド』の上映会を開催しました。県内4会場での開催のほか、有機JAS認証野菜の栽培に取り組む農業高校での上映会や、同じくabt助成先である神戸大学大学院の星信彦教授を講師に招いた講演会も好評でした。連携したグループの活動では、JA岐阜のオーガニック化への働きかけなども展開しています。

海津市会場レポート『食の安全を守る人々』上映会(2023.5.21)

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#6 脱ネオニコで変わる風景を伝える

「脱ネオニコで地域活性化」はジャーナリスト猪瀬聖さんの取材活動に対する助成です。コウノトリを復活させた兵庫県豊岡市、トキの繁殖に挑戦する新潟県佐渡市など、自治体と農家の協力で脱ネオニコに取り組んだ現場を訪ねて、野生動物保護だけでなく地域経済の発展にも寄与した事例をYahoo!ニュースなどで伝えました。ほかに、小学生の尿からネオニコが検出された調査結果や、ネオニコ不使用で売り上げを伸ばした生協の話など合計6本の記事を掲載し、最大2万件ほどのアクセスを獲得しました。

「復活したコウノトリのペアはなぜここを子育ての地に選んだのか《シリーズ・ネオニコチノイド問題を追う》」Yahoo!ニュース(2023.8.1)

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