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トップページ お知らせ ネオニコチノイド系農薬の地下水汚染、全国の市民調査員を募集~市民参加プロジェクトで農薬の環境残留を調査~募集受付:2019年7月16日~7月31日

2019年7月12日
一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト

一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト(東京都渋谷区/代表理事:星川 淳、以下abt)は、田んぼなどで広く使用され、人間や生態系への影響が問題視されているネオニコチノイド系農薬の地下水汚染を調べる市民調査員を募集します。

農業だけでなく園芸やペットのケア、シロアリ駆除などに幅広く使われているネオニコチノイド系化学物質。元々の対象である昆虫への強い神経毒性を持つ上に、水溶性で残留性が強く、標的の害虫以外にも人間を含む多様な生物に影響を及ぼすことが懸念されるため、EUをはじめ海外では規制が始まっています。しかし、環境中の残留については部分的にしか調査されておらず、このたびabtは、日本の地下水がネオニコチノイド系農薬に汚染されていることを示す先行調査を参考に、市民に参加いただいて簡易的な調査キットによる地下水の汚染調査を行なうことにしました。

調査の概要
パッシブサンプラー全国から地下水汚染の調査協力者を募集し(応募期間:2019年7月16日~7月31日)、応募の中から協力者を選定後、各担当地点に「パッシブサンプラー」(1)という計測器を設置して、一定の調査期間後に返送いただく[写真1]。調査にかかる実費はabtが負担。この調査では、ネオニコチノイド7種(ニテンピラム、ジノテフラン、チアメトキサム、イミダクロプリド、チアクロプリド、クロチアニジン、アセタミプリド)とフィプロニルおよび数種の分解生成物(2)について地下水中の残留値を測定し、結果はabtが取りまとめてウェブサイトで公表予定。

調査方法
地下水が供給源であることが明らかな井戸や湧水(わき水)などを調査地点とし、パッシブサンプラーを水中に吊り下げて調べる(今回、河川や水道水などの表層水は調査対象外)。調査協力者の地所での調査を想定しているが、他人の地所や私有地以外に設置の場合、管理自治体などの適切な許可を得ることとする。

計測器をひもで吊るした状態計測器を小石などの重りと一緒にネットに入れて、後で引き上げられるように紐を結んで水中に沈めた後[写真2]、所定の期間(1か月程度)そのままにし、回収して返送するだけ。特別な知識や技術は必要ない。調査協力者には、計測器を届ける際に具体的な手順を記載した手引きを同封。

計測器は水中の物質を捕集する構造になっており、計測器自体から他の物質が流出することはないため、飲用の井戸に沈めても問題ない。

(1) パッシブサンプラーは冬に着るコートのボタンくらいの大きさのプラスチック製容器。中には水中の汚染物質を吸着する吸着剤が入っており、汚染物質はこの吸着剤に吸着する。有害なものは溶け出さない。世界的に使用されている信頼性の高い水質調査方法の一つ。
(2) フィプロニルの中間体3種(フィプロニルスルホン、フィプロニルスルフィド、フィプロニルデスルフィニル)、クロチアニジンの中間体3種(2クロロ5ピリジンカルバルデヒド、6クロロニコチン酸、5アミノメチル2クロロピリジン)、イミダクロプリドの中間体デスニトロイミダクロプリド。

実施のタイムライン
1. 下記URLから申し込み用紙をダウンロードし、必要事項を記載のうえメール添付でご応募いただく(7月31日必着)。
https://www.actbeyondtrust.org/info/4770/
2. メール送付先:grant@actbeyondtrust.org
3. 調査協力者を選定し、調査方法の手引きと計測器を送付(8月上旬)。
4. 調査地に計測器を設置し、調査期間(8~9月末の間で1か月程度)の経過後に返送していただく。
5. 集まったデータを専門家が解析し、サイト上で発表(2019年末予定)。調査協力者には、発表に先立って担当調査地の結果を個別に通知する。

【本件に関するお問い合わせ】
〒150-0044 東京都渋谷区円山町5-5 Navi渋谷Ⅴ 3F
一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト(公募担当:八木)
E-mail:grant@actbeyondtrust.org