気候危機のいま、再エネと省エネによるエネルギー転換(エネルギーシフト)が急務です。ところが、過大な電力需要見積もりのもと、原発や石炭火力が温存される容量市場が、2020年度にスタートしました。
「容量市場」とは、従来の卸電力市場で取引されている「電力量(kWh)」ではなく、「将来の供給力(kW)」を入札により取引する市場です。現在、電源は余っており、将来的に電源不足になるという想定は十分に検証されていない中、新しい発電所も古い発電所もkWあたり同じ落札金額がもらえるため、この新制度では、すでに建設費などが回収済みの発電所をたくさん持っている大手電力に極めて有利です。原発や石炭火力といった古い発電所をずっと持つ方がお金をもらえ、エネルギーシフトがますます遅れます。
容量市場では4年後(2024年度)の供給力(kW)が取引されますが、2020年7月に容量市場オークションが実施され、9月14日に結果が公表されました。
https://www.occto.or.jp/market-board/market/oshirase/2020/20200914_youryouyakujokekka_kouhyou.html
2020年度メインオークション(対象実需給年度:2024年度)の結果
・約定量 1億6,769万kW
・約定価格 14,137円/kW
・経過措置を踏まえた約定総額は1兆5,987億円
結果はほぼ上限価格と、電力業界や経済産業省さえも想定しなかった結果となりました。新電力、とくに再エネ新電力への影響は大きく、経営の危機も懸念されます。
(問題点)
・古い原発や石炭火力が温存される
・再エネ新電力に大きな負担
・大手と新電力の格差拡大
こうした容量市場の問題点と今回の約定結果の影響を考えるため、オンラインセミナー「衝撃の容量市場結果――再エネ新電力は生き残れるか」を開催します。
日時: 2020年10月15日(木)13:30~15:30
場所:オンライン(zoomウェビナー)
主催: eシフト、原子力市民委員会
プログラム:
1. 容量市場の概要、海外での状況と再エネへの影響
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所 所長)
2. 2020年度約定結果の分析
松久保肇(原子力資料情報室 事務局長)
3. 再エネ新電力の負担と消費者への転嫁
竹村英明(グリーンピープルズパワー 代表取締役社長)
4. 気候の安定化と石炭火力2030年全廃
桃井貴子(気候ネットワーク 東京事務所長)
5. 常に過大となる電力需要想定
明日香壽川(東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授)
6. eシフトでの活動
吉田明子(国際環境NGO FoE Japan)
7. ゲストからのコメント(調整中)、質疑応答
※オンライン会議システムのzoomを使います。
※マイク・スピーカー機能のついたPCもしくはスマホ、タブレットが必要です。
■申込: 下記よりご登録ください。(セミナー直前まで登録できます)
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_ghr-2i8YSI2Fb_KSZNSHhw
※FoE JapanのFacebookページにて、ライブ中継を予定しています。こちらは申込なしで視聴いただけます。
▼10/15(木) オンラインセミナー「衝撃の容量市場結果――再エネ新電力は生き残れるか」
http://e-shift.org/?p=3931