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トップページ お知らせ 福島第一原発事故から10年を迎えて

東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発事故から10年がたちました。

abtは2010年12月に設立され、翌2011年3月の事業年度開始直後に事故が起こりました。助成3部門のひとつ「脱原発プロジェクト」(現「エネルギーシフト」)の内容を急きょ組み替えるなど、現在も続く原子力緊急事態宣言下の具体的な諸課題に真正面から向き合うスタートでした。以後、同部門ではNPO・NGO、研究者、市民団体、ジャーナリスト、法律家といった様々な助成先を支援させていただきながら、原発のない社会をめざしてきました。

この10年を振り返ると、再生可能エネルギー100%の実現については、全世界における飛躍的普及と技術革新による大幅なコスト低減や、ようやく重い腰を上げた日本政府の「2050年脱炭素宣言」など、明るい変化の兆しが見え始めています。その一方で、廃炉・汚染水処理問題、被ばく実態をあいまいにした健康被害の矮小化、住民の「民意」を置き去りにした原発再稼働計画、北海道寿都町および神恵内村の「文献調査」で議論を呼んでいる核のごみ最終処分場問題など、事故処理と原子力政策にはまだ多くの難問が残されたままです。前述の政府の方針も、内実は原子力が温存されており、再生可能エネルギー100%で、被ばくの恐れなく安心して暮らせる社会の実現にはほど遠いと言わなければなりません。

abtはエネルギーシフトに向け、下記のとおり4つの課題を掲げています。

1. 政策提言: 原子力発電の是非を含むエネルギー政策の議論喚起と代案提示
2. エネルギー転換: 再生可能エネルギーへの具体的転換促進
3. 放射線影響調査: 人間と生態系に対する放射線影響を知るための測定や調査
4. 被ばく防護: 保養・留学・移住などを含む適切な対策と、必要な医療的対応の実施

原発事故の影響を明らかにして被害を最小限に抑えること、再生可能エネルギーの拡大を促進すること、原子力政策を転換させることをめざし、abtは今後も市民社会の有意義な取り組みを支援・応援してまいります。