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トップページ 助成先活動情報 農民連食品分析センターが「女性農業従事者の尿中ネオニコチノイド系農薬調査2022」レポートを公開

(以下、一般社団法人農民連食品分析センターのウェブサイトをもとにご紹介)

農民連食品分析センターはabtによる2022年度の公募助成を受け、農民連女性部の生産者の方々を対象に、尿中に含まれるネオニコチノイド系農薬の調査を行ないました。2023年2月、それらの調査結果を報告するレポートが公開されました。

▼女性農業従事者の尿中ネオニコチノイド系農薬調査2022
https://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/agr/neonico/urine/farmerswomen2022/index.html

調査では33都道府県の67名から68検体の尿を集めました。調査を行なったのは、ネオニコチノイド系農薬とその代謝物、作用機構が似ている類似農薬の14成分です。結果として、すべての検体から対象とする何らかの成分が検出されました。最も多く9割の検体から検出されたジノテフランは、ネオニコチノイド系農薬の中で国内の出荷量が最多の成分です。クロチアニジンやアセタミプリド代謝物は6割の検体から、類似物質であるスルホキサフロル、フロニカミドは3割強の検体から検出されています。

検出された成分と、自身が農業で散布していた農薬の成分とが一致する例も一定数見られました。ただし、ジノテフランは一般の方でも高い検出率であるため、農薬散布との関係を考察するにはさらなる調査が必要としています。

また、尿中の濃度については一般の方と散布作業を行なう農業従事者の間に有意な差は見られないようです。農家でも、自分の家庭で使う食材は一般の消費者と変わらない場合が多いことなどが背景として考えられます。さらに詳しく解析するためには、被験者が行なう農業の実態把握や採尿の回数、条件の調整などが必要だとしています。