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トップページ イベント情報 9/15(金)Future Dialogue第8回 「こんなに問題山積なのに、どうして政治に反映されないの? ~不可視化される核燃料サイクル問題~」

※こちらのイベントは終了いたしました。イベントの映像および文字起こしを含む記事は後日公開します。登壇者が発表の際に使用した資料はこちらで公開しています。

長年にわたる反対運動がありながら、日本政府が頑なに推進を掲げる核燃料サイクル政策。技術的な問題点や膨大なコスト、プルトニウムを大量保有することによるリスクなど、専門家やNGO/NPOからは様々な問題点が指摘されています。日本が原子力発電をやめることができない構造的要因そのものという見方もあるほど、本来は極めて重要な政治的イシューです。

しかし、こうした問題がマスメディアで大きく取り上げられることも、政治の舞台で目立った論点として扱われることもほとんどありません。問題自体の難解さも手伝って、原発反対の立場でも核燃料サイクルに関し十分な知識を持っている人は多くないでしょう。さらに、メディアでも事実上タブー扱いされていることが、問題を見えにくくする一因と思われます。

このような複雑さを孕みながら不可視化されている核燃料サイクル政策について、情報発信や議論喚起のために粘り強く活動する市民団体や、忖度しないジャーナリストを招き、どうやって理解を深めれば良いかを学びつつ、なぜメディアや政治に重要な話題として扱われないかを考えます。

【日時】2023年9月15日(金)15:00〜17:30
【場所】Zoomを用いたオンライン方式(日本語)
【参加費】無料
【主催】一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト(abt)
【共催】認定特定非営利活動法人 原子力資料情報室、新外交イニシアティブ(ND)

【プログラム(予定)】
・開会挨拶
・講演(1) 松久保肇さん(認定特定非営利活動法人 原子力資料情報室 事務局長)
・講演(2) 猿田佐世さん(新外交イニシアティブ(ND)代表・弁護士(日本・米NY州))
・ジャーナリストよりコメント(1) まさのあつこさん(フリーランス・ジャーナリスト)
・ジャーナリストよりコメント(2) 井田徹治さん(共同通信社編集委員)
・ディスカッション モデレーター:桃井貴子さん(認定NPO法人気候ネットワーク・東京事務所長)
・質疑応答
・abtよりご案内・閉会挨拶

【登壇者のプロフィール】

松久保 肇さん/認定特定非営利活動法人 原子力資料情報室 事務局長

1979年、兵庫県生まれ。2003年国際基督教大学卒、2016年法政大学大学院公共政策研究科修士課程修了。金融機関勤務をへて2012年より原子力資料情報室スタッフ。共著に「検証 福島第一原発事故」(七つ森書館)、「原発災害・避難年表」(すいれん舎)など

猿田 佐世さん/新外交イニシアティブ(ND)代表・弁護士(日本・米NY州)

早稲田大学法学部卒業後、タンザニア難民キャンプでのNGO活動などを経て、2002年日本にて弁護士登録、国際人権問題等の弁護士業務を行う。2008年コロンビア大学ロースクールにて法学修士号取得。2009年米国ニューヨーク州弁護士登録。2012年アメリカン大学国際関係学部にて国際政治・国際紛争解決学修士号取得。大学学部時代からアムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ等の国際人権団体で活動。ワシントン在住時から現在まで、各外交・政治問題について米議会等で自ら政策提言を行う他、日本の国会議員や地方公共団体等の訪米行動を実施。米議員・米政府面談設定の他、米シンクタンクでのシンポジウム、米国連邦議会における院内集会等を開催。

井田 徹治さん/共同通信社編集委員

1959年、東京生まれ。1983年東京大学文学部卒業、共同通信社に入社。2001〜2004年、ワシントン支局特派員(科学担当)。環境と開発、エネルギーなどの問題を長く取材しており、政府間の国際会議取材でも豊富な経験を持つ。現在、共同通信社編集委員(環境・エネルギー・開発問題担当)。著書に『ウナギ 地球環境を語る魚』(岩波新書)、『生物多様性とは何か』(岩波新書)、『次なるパンデミックを回避せよ』(岩波科学ライブラリー)など。

まさのあつこさん/フリーランス・ジャーナリスト

フリーランス・ジャーナリスト。著書『あなたの隣の放射能汚染ゴミ』(集英社新書)、『投票に行きたくなる国会の話』(ちくまプリマー新書)、『四大公害病』(中公新書)、『水資源開発促進法 立法と公共事業』(築地書館)など。衆議院議員の政策秘書などを経て、2022年10月から取材活動を再開。

桃井貴子さん/NPO法人気候ネットワーク理事・東京事務局長

大学在学中より環境保護活動に取り組み、卒業後は環境NGO職員、衆議院議員秘書等を経て、2008年より気候ネットワークのスタッフとなり、2013年より現職。2011年3月の福島での原発事故後、原発もない、温暖化もない未来をめざし、エネルギー・気候変動問題を中心に取り組み、様々な団体と連携して活動を展開。2017年、「石炭火力を考える東京湾の会」など袖ヶ浦、千葉、市原、横須賀の石炭火力計画の中止に向けた運動に地元の人とともに取り組み、千葉県での石炭火力発電所計画の中止を実現させた。