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トップページ お知らせ 岸田政権による原発再稼働と新増設の方針にNO!(締切間近の賛同募集も)

岸田首相は8月24日、原子力発電所の新増設や稼働期間の延長について検討を進める考えを表明しました。脱炭素社会の実現に向けた、政府による「グリーントランスフォーメーション(GX)実行会議」でのことです。

突然の方針転換に、NGO市民セクターからは撤回や熟議を求める声明・抗議文が相次いで発表され、複数の市民団体が共同で撤回を求める賛同署名(個人・団体)も募っています(abtも団体賛同しました)。ここでは、署名のリンクや主な声明・抗議文の論点を紹介します。

FoE Japan、原子力規制を監視する市民の会、原子力資料情報室の3団体が共同で、「要請書 原発推進方針撤回を」への個人・団体賛同を呼びかけています。1次締め切り:9月12日(月)8:00
▼【賛同募集】要請書「原発推進方針の撤回を」
https://foejapan.org/issue/20220904/9119/
▼賛同はこちらのフォームから(個人・団体)
https://forms.gle/JvdTjCgBuNgHVQJC7

以下では、文末に示す各市民団体からの声明・抗議文を参考に、それらで取り上げられている主だった論点を紹介します。

まず、今回の原発新増設・運転期間延長への言及は、今夏の電力需給ひっ迫や気候変動対策、ロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギー危機を念頭に置いたものと思われますが、原発がこれらの問題を解決するものではないということが指摘されています。

短期的な電力ひっ迫は供給能力不足によるものではなく、ピーク時の需給調整の問題です。そのため、出力調整が難しく、またトラブルで休止することもある原発は、電力ひっ迫の解決手段にはなり得ないということです。

気候変動対策という点では、発電プロセスでCO2を排出しないとはいえ、新増設に10年もの期間を要することから、待ったなしの気候変動対策に間に合いません。加えて、長期にわたり放射性廃棄物と向き合わねばならないために100年単位で行動を縛られるなど、別の問題も生じます。そもそも原発が気候変動による影響に脆弱であるという指摘もあります。

安全性の面からも多くの課題が指摘されています。経年劣化が見られる老朽原発に対する安全対策はもちろん、災害時の避難計画の不十分さなども懸念されます。地震や水害などが頻発する環境で、果たして安全確保が可能でしょうか。ロシアのウクライナ侵攻も、有事の際に原発の持つリスクを示しています。

また、一部で期待される次世代の小型原発(小型モジュール炉=SMR)をはじめ、新規の原発建設にかかる多大なコストは、一部を政府が負担することになるため、電力市場を歪めるばかりか再生可能エネルギーへの投資を鈍らせることになりかねません。

以上のような論点に加え、十分な議論なしに性急な方針転換を表明したことにも批判の声が上がっています。原発稼働年数は熟議の末に40年と定められたものですし、新増設についても立地地域との合意があって初めて成り立つものです。本来慎重な議論を要する決断を結論ありきで宣言することで、今後の意思決定プロセスを歪めることが懸念されています。

以上は代表的な論点ですが、各団体が独自の視点で意見を表明しています。ぜひ目を通してみてください。

▼FoE Japan
声明:原発推進方針は非現実的――国民にリスクとコストを押し付け、必要な対策を遅らせる
https://foejapan.org/issue/20220826/8992/

▼原子力資料情報室
国民的議論から逃げるな ーGX実行会議の原発活用押し付けを憂慮するー
https://cnic.jp/45540

▼原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)
岸田政権は「原発カルト」から脱会し再エネ100%を目指せ
http://genjiren.com/2022/08/30/1076/

▼全国ご当地エネルギー協会
国民的議論なきエネルギー政策の撤回を求める緊急声明
岸田政権は原発推進ではなく地産地消の再エネ100%を目指せ
http://communitypower.jp/6462

(参考)大島堅一教授(龍谷大学)のインタビュー記事
▼毎日新聞
「あまりに乱暴」龍谷大教授、首相の原発「新増設」言及に怒り
https://mainichi.jp/articles/20220902/k00/00m/020/219000c