2018年に公開された更新版「浸透性殺虫剤の影響に関する世界的な統合評価書(WIA)」(第1部~第3部)に続いて、国際自然保護連合(IUCN)に助言する浸透性殺虫剤タスクフォースは、第4部「主要な栽培体系における代替策」を2020年6月4日に公開しました。
▼An update of the Worldwide Integrated Assessment (WIA) on systemic pesticides. Part 4: Alternatives in major cropping systems
Environmental Science and Pollution Research volume 27, pages29867–29899 (2020)
https://doi.org/10.1007/s11356-020-09279-x
防除にネオニコチノイドが用いられる主要な作物と害虫の組み合わせについて、合成化学物質を使わない防除技術に関する266件の査読済み論文を精査し、詳細なリストを作成し幅広く世界の専門家に意見収集を行い、現時点でどのような代替技術があり、どの程度実用性があるかについて検証を行っています。日本を含むアジアで脅威が増しつつあるコメの害虫トビイロウンカについても言及し、殺虫剤使用によりかえって勢いが増すこと、ベトナムでは政府主導の積極的な代替技術導入が成果を挙げていることが紹介されています。
内容のハイライトを日本語で紹介いたします。
「浸透性殺虫剤の影響に関する世界的な統合評価書(WIA)更新版」第4部の抜粋要約
(文責:一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト 監修:ネオニコチノイド研究会・平久美子)