(以下、新外交イニシアティブからの情報を元にご紹介)
新外交イニシアティブ(ND)のウェブサイトでは、6月に開催したシンポジウムの映像や資料を公開しています。ウクライナ戦争では有事における原発への攻撃が現実となりました。日本では、原子力回帰への方針転換を進める岸田政権が反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有に向けミサイル配備も推し進めています。そんな中で語られていないのが「住民(国民)保護」の視点であると問題提起しました。他では取り上げられていない問題ですので、ぜひご覧ください。
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語られない「有事の被害想定」を問う―「ミサイル配備」と「原子力回帰」が軽んずる国民保護―
▼記録動画
▼登壇者ごとの切り抜き動画
・加部歩人「国民保護法の概要と疑義 -ミサイル配備・原発回帰の裏側で」
・上岡直見「武力攻撃の被害予測と原発 -戦時中と変わらぬ『焼夷弾に防空頭巾』」
以下、シンポジウムのゲストの発表内容を簡単に振り返ります。
加部歩人さん(ND研究員・弁護士)からは、省庁間交渉で得られた有事における政府の対応方針について報告がありました。現状では国民保護法に基づく対応になるものの、原発が攻撃された際の住民保護が軽んじられているという課題を提起しました。
上岡直見さん(環境経済研究所)からは、現実的に原発はどのような攻撃を受ける可能性があるかについてや、事故が生じた際の被害のシミュレーションが紹介されました。
佐道明広さん(中京大学国際学部教授)からは、南西諸島で進む防衛力強化をめぐる動きに関連し、マスメディアなどでは報じられる機会が少ない現地の実情についての報告がありました。
その他、屋良智弘さん(前衆議院議員)は沖縄からオンライン参加し、有事が迫る緊迫感を感じていて、戦争を回避しなければならないことを訴えました。山崎誠さん(衆議院議員)は、引き続き国会でも議論を促すとともに、ジュネーブ条約が適用されない再処理施設の攻撃リスクも追及したいとの考えを述べました。