(以下、「沖縄・琉球弧の声を届ける会」からの情報を元にご紹介)
日米政府の合作で急激かつ強引に進められる沖縄・琉球弧(台湾から九州へ連なる島々)の軍事要塞化について、本土のマスコミや海外メディアが十分に伝えず、どんなに理不尽なことが押し通されても、現地の当事者が細々と声を上げるだけで、ようやく沖縄のメディアが報道するという状態が長年続いてきました。
沖縄島北部の辺野古・大浦湾でごり押しされる、普天間基地代替施設建設計画が代表例ですが、南は国境の与那国島から、北は種子島の離島・馬毛島(まげしま)まで、何が起こっているかの実態は、他の地域に住む一般の人びとにはほとんど知られていないのではないでしょうか。そこに繰り広げられているのは、民主主義も法治主義もなく、軍の都合だけが優先される戦前・戦中さながらの暴政です。
その報道不在状況を何とかしようと結成された「沖縄・琉球弧の声を届ける会」が、幅広い関係団体の賛同を受けながら、去る11月12日に「メディアは全ての人権のため、隠された真実を暴け! ~『新たな戦前』に直面する沖縄・琉球弧の島々の真実を!」と題した第1回講座を、沖縄大学との共催で開催し、このほどアーカイブ動画を公開しました(前日にはメディア関係者を対象とした「沖縄基地見学ツアー」も実施)。講座の内容は下記のとおり非常に充実したものでした。“沖縄・琉球弧の声”に耳を傾けるため、ぜひご覧ください!
https://info200921.wixsite.com/ryukyusvoice
閉会挨拶で同会の共同代表を務める桜井国俊さん(沖縄環境ネットワーク世話人・元沖縄大学学長)が吐露するように、講座の狙いにもかかわらず、いわゆる“本土メディア”からは今回もほぼ無視される結果となり、課題は残ったままとのこと。この連続講座は2024年2月18日(日)に第2回、7月以降に第3回を開催予定。
【第1回講師】
・田里千代基さん:与那国町議会議員、議会運営委員長
テーマ「「アジアと結ぶ国境の島」から「要塞の島」へと激変する与那国 ~迫りくる住民自治の危機と自然環境破壊~
・長野広美さん:種子島西之表市議会議員
テーマ「馬毛島軍事基地建設問題について」
・宮城秋乃さん:軍事環境研究者
テーマ「やんばる世界自然遺産の米軍廃棄物の現状」
・阿部岳さん:沖縄タイムス編集委員
テーマ「沖縄で進む報道規制」
・新垣毅さん:琉球新報編集局次長兼報道本部長
テーマ「諦めず沖縄の自己決定権行使を」
・セドリック・アルヴァー(フランス国籍)さん:ストラスブール大学のジャーナリズムセンター卒業。報道の自由団体「国境なき記者団」(RSF)のアジア太平洋支局長。1999 年以降、主に台湾を拠点にアジアで活動し、外交、文化、メディアが融合する総合国際プロジェクトを指揮してきた。
テーマ「世界自由報道の近況報告&東アジア・日本のメディア危機」