日本政府は新たな高速炉計画を表明。その一環として浮上しているのが、仏アストリッド高速炉開発への参入です。フランスの専門家や議員の方々5名にインタビューし、現地の原子力事情を調べる調査報告。今回は、フランス国民議会下院議員ノエル・マメール氏、パリ市第2区区長ジャック・ブートー氏です。
仏高速増殖炉スーパーフェニックスの廃炉に尽力されたマメール氏は、原発事業の見通しの甘さをこう指摘しています。「原発廃炉は危険で長期間を要し、予算が立てられていても実際にかかる費用は誰もわからない。ブレンニリス原発も20年かけても廃炉が終わらない現状の中、3か月しか稼働しなかったスーパーフェニックスはさらに酷く、見通しがわからない。廃炉に向けた長期的計画が必要だ」
アストリッド計画に関しても次のように厳しく批判します。「日本政府はフランスに対してもっと慎重になるべき。例えばアレバは問題だらけの企業で、福島事故後に介入してきたが失策ばかりで、日仏両政府は狂気ともいえる形でアストリッド計画に介入している」
また、地方行政を担うブートー氏は、ヨウ素剤の配布の申し出を国に拒否されたことなどをあげ、地方行政が国の原子力政策を批判することは難しいとしながらも、「住民を守れない国家に存在理由などないと理解する人々が増えてきており、今年1月から、町が使うエネルギーを原子力ではなく再生可能エネルギーにしようという決定がされた」と、市民の意識が少しずつ変化していることを評価します。
アストリッド計画については以下のように語ります。「とてつもない費用問題もある中さらに進めるのは、幻想・悪夢を見続けているのと同じだ。アストリッドを商業化できるとは思わないし、そうなってほしくない。この計画についてはまだ市民に知らされておらず、脱原発を望む市民団体がこれに関する情報をできるだけ市民に流し、国が正式にこの計画を公表する前に反対の動きを展開することが必要だ」
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フランス原子力事情調査報告(その3)
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▼これまでの報告はこちらから
フランス原子力事情調査報告(その1)
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フランス原子力事情調査報告(その2)
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