ネオニコチノイド系農薬は、水田のアキアカネなどトンボ類の減少要因解明を発端に、その環境影響が明らかになった殺虫剤です。近年の研究の進展により、その影響は水田のトンボだけではなく、ゲンゴロウなどの水生昆虫、魚類からミツバチまで、いろいろな生物に及ぶことが明らかになり、その汚染も、山間の池、湧水などで高濃度な値が検出された事例があります。EUではすでに複数の薬剤が使用禁止となっていますが、日本では逆に食物への残留基準値を緩和する状況で、未だに大量に使用されているのが実情です。
本シンポジウムでは、アキアカネの減少要因の解明から始まったこの問題の紹介から、近年の研究の進展、深刻化する環境影響について概観します。
日時: 2019年11月17日(日) 13:30-15:45
場所: 神奈川県立生命の星・地球博物館 SEISA ミュージアムジアター(開場:13:10)
(アクセス http://nh.kanagawa-museum.jp/information/traffic.html)
入場無料・先着順
定員: 先着300人
主催: 日本トンボ学会
共催: 神奈川県立生命の星・地球博物館、神奈川トンボ調査・保全ネットワーク
問い合わせ:
神奈川県立生命の星・地球博物館 担当:苅部 治紀
電話:0465-21-1515 e-mail:paruki@nh.kanagawa-museum.jp
【シンポジウム内容】
◆亀田豊(千葉工業大学) 13:30-14:15
「ネオニコチノイド系農薬が与えるミツバチ、水圏生態系への影響と環境化学と保全生態学のコラボレーション」
◆二橋亮(産業技術総合研究所) 14:15-14:50
「アカトンボの激減から発覚したネオニコチノイド系農薬の問題」
◆苅部治紀(神奈川県立生命の星・地球博物館) 14:50-15:30
「明らかになってきた希少水生昆虫生息地におけるネオニコチノイド系農薬の汚染実態」
総合討論 15:30-15:45
▼詳細はこちらから
http://nh.kanagawa-museum.jp/event/info/ev605.html
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※本シンポジウムに登壇する亀田豊・千葉工大准教授と苅部治紀・地球博物館主任学芸員は、abtの本年度「ネオニコチノイド系農薬問題」部門助成先です。
・企画名: ネオニコチノイドによる水生生物への生態リスク比較~作目種及び散布方法による影響~(亀田豊)
・企画名: ため池や自然止水域におけるネオニコチノイド系農薬の汚染状況と絶滅危惧水生昆虫の生息状況の相関調査(苅部治紀)