NPO河北潟湖沼研究所が、市民参加で実施した「生きもの元気米」田んぼの生きもの調査結果をパンフレットにまとめました。調査は、陸生昆虫類(ウンカ・ヨコバイ類、イナゴ類、キリギリス類など)、底生動物(ユスリカ、イトミミズ類、甲殻類など)を対象に、昨年6月~8月にかけて石川県「河北潟」南東部の無農薬の田んぼと慣行農法(農薬使用)の田んぼで行なわれたものです。
調査からは次のような結果がわかったそうです。
■殺虫剤のターゲットとなっている昆虫の「カメムシ」はそもそも少数しか見られない。
■農薬をまいている田んぼでも害虫のウンカ・ヨコバイ類は減らない。
空散から約 20 日後には、慣行農法の田んぼでウンカ・ヨコバイ類が爆発的に増えており、130 匹が数えられました。これは農薬を使っている田んぼでは害虫を食べる動物が少ないことで、かえって害虫が増えたのではないかと考えられます。
■農薬を使っている田んぼでは、体長 5mmを超える大きなサイズのクモがほとんど見られない。
こうした結果から、ネオニコチノイド系農薬などの殺虫剤がむしろ益虫にも影響を与え、結果的に害虫を増やすことにつながることがわかります。パンフレットでは、「田んぼ一枚ごとに虫の状態は違っており、殺虫剤などの強い農薬は予防的に散布するのではなく、害虫の発生状況を見て、必要最小限に使用されるべきではないか」と農薬の過剰使用に疑問を投げかけるとともに、農薬の空中散布せず、畦の除草剤を使わない「生きもの元気米」の取り組みについても紹介しています。
また、河北潟湖沼研究所はこのパンフレットをご覧になった方からのアンケートをお願いしています。ぜひご協力ください。
▼詳細はこちらから
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▼【調査結果パンフレット】カメムシのいない平野部の田んぼで、 ネオニコチノイド系農薬など浸透性殺虫剤は必要? 田んぼの生きもの調査から考えよう(A4/4頁)
http://kahokugata.sakura.ne.jp/pdf/pamph/tanbocyousa202001.pdf
▼田んぼの農薬と生態系アンケート
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