2020年度エネルギーシフト部門助成先の「避難計画を案ずる関西連絡会」は、複数の市民団体とともに「新型コロナウイルス感染拡大防止のために、原発での全ての工事の中止と原発の運転停止を求める要望書」を関西電力に提出しました。要望事項と概要は次の通りです。
要望事項
1. 原発の定期検査・老朽化対策工事・特重施設工事など、全ての作業を中止すること
2. 事故が起これば避難できないため、運転中の高浜4号、大飯3・4号を停止すること
3. 地元の民宿等に対して、関電の責任で休業補償を行うこと
4. 下請けを含む全ての労働者に対して、関電の責任で休業補償を行うこと
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国的に外出自粛、多くの業種に対して休業要請等が出され、国内はもとより世界中の人々が命と安全を守ることを最優先にしています。
しかしながら、原発の運転や定期検査、老朽化対策工事、特重施設(テロ対策等施設)工事はこれまで通りに続けています。佐賀県の玄海原発では、労働者の感染も明らかになりました。多くのゼネコンが工事を自粛している中で、原発が通常通りであることに、嶺南地域・福井県内はもとより多くの人々が強い不安と恐怖、憤りを感じています。
高浜原発では3号の定検や、1・2号の老朽化対策工事等で既に約 5,000 名の労働者が工事に従事しています。大飯原発では、既に働いている 1,500 名の労働者に加え、5 月 8 日から予定されている定期検査で、県内外から約 1,800 名(県外から約 900 名)が新たに加わり、3,300 名もの労働者が集まることになっています。おおい町の人口は約 8,000 人、高浜町は約1万人の中に、多くの県外からの労働者が嶺南地方に集まることになります。
労働者は「密接」した状況での工事・作業となり、原発への送迎バスは既に満員で「三密」です。民宿での食事も「密集」した状況になります。感染者が発生し拡大すれば、労働者と住民の命と安全を守ることはできず、嶺南地域の医療や、デイサービス等の福祉継続も危ぶまれます。
高浜4号、大飯3・4号は現在も運転を続けています。原発事故や自然災害が起これば、避難所に多くの人が集まることで感染拡大の恐怖と隣り合わせとなります。避難先への移動もほぼ不可能となり、住民や労働者は被ばくをも強いられることになってしまいます。
住民と労働者の命と安全を脅かすことは許されません。停止中の原発の安全を確保する作業をのぞき、原発での一切の工事・作業の中止と原発の運転停止を強く求めます。
▼新型コロナウイルス感染拡大防止のために、原発での全ての工事の中止と原発の運転停止を求める要望書
http://www.jca.apc.org/mihama/saikado/kepco_yobo20200428.pdf