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トップページ 助成先活動情報 英独米中韓日6ヵ国シンポジウム「増えるプルトニウムと六ヶ所再処理工場―核燃料サイクルの現実と東アジアの安全保障」アーカイブ&ポリシーブリーフの紹介

新外交イニシアティブが6カ国の識者を招き、2021年12月に2日間にわたって国際シンポジウムを開催。その動画やポリシーブリーフ(日本語/英語)が公開されました。日本政府が依然として推進する核燃料サイクル政策の問題点について、第一部では再処理施設立地地域などのローカルな視点から、第二部では核不拡散などのグローバルな視点から迫っています。(以下、新外交イニシアチブの動画を元に、シンポジウムで取り上げられた内容をご紹介)

 

【第一部】核燃料サイクルの現実―英独の経験と六ヶ所再処理工場

飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所 ISEP代表)からは、これまでの核燃料サイクルと政治的な応答の変遷に関する解説。様々な論理破綻を抱える政策に対し、次のポリシーウィンドウ(政治の窓)が開く機会に備えて準備しておく必要性を説きました。鹿内博氏(青森県議、元青森市長)は、青森県における核燃料サイクルや原発に関する歴史的変遷を踏まえた上で、現状の県民が抱く課題意識や不安について述べました。ポール・ブラウン氏(ジャーナリスト)は英国の再処理の変遷を紹介。予定通りに進まなかった再処理工場計画や、現在も使い道のない核物質が大量に保管されている実態を明かします。ニーナ・シェア氏(ドイツ社会民主党連邦議員エネルギー広報担当)は、脱再処理に舵を切ったドイツの経験を報告しました。福島の原発事故を一つの契機にすべての原発は停止したが、核廃棄物の問題はいまだに残っているとのことです。

 

【第二部】増えるプルトニウムと東アジアの安全保障

シャロン・スクアソーニ氏(米ジョージワシントン大学研究教授)は、非核保有国だが再処理を行なう唯一の国という特殊性を持つ日本が、核安全保障上の観点から米国にどう見られているかについて述べました。姜政敏氏(元韓国原子力安全委員会委員長)は、韓国が目指す乾式再処理の問題点や米韓の共同研究の不透明さなどについて指摘。張会氏(米・ハーバード大学上級研究員)は、近い将来世界一の原発国になる見込みの中国が推し進める、高速実験炉計画の進捗を推測しています。鈴木達治郎氏(長崎大学核廃絶研究センター副センター長)は、改めて再処理計画が事実上破綻していることを示した上で、再処理を止められない理由として責任転嫁の構造や潜在的な核保有の願望、民主的かつ独立した評価機関の欠如を挙げています。さらに、日本は乾式貯蔵に切り替え、新たな国際規範を示すべきであるとの見解を示しました。

 

様々な国や立場のゲストを招いた濃密なシンポジウムの模様は、ここでは紹介できなかったディスカッション・質疑も含めて動画が公開されています。また、関連する内容のポリシーブリーフ(Vol.9〜17が日本語、Vol.18〜25が英語版)もウェブサイトで公開済みですので、核燃料サイクル政策の問題点を多角的に検証するためにご参照ください。

 

▼本イベントの報告書(概要版)、動画、各登壇者の報告に基づくポリシーブリーフ(日・英)など
https://www.nd-initiative.org/event/10121/

▼ポリシーブリーフはこちらにからも閲覧可(本件関連はVol.11~25)
https://www.nd-initiative.org/research/