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2023年度事業報告
(2023年3月~2024年2月)
コロナ禍がようやく落ち着きを見せる中、abtは設立以来の年数を数える段階を卒業し、助成事業の練度向上も、組織としてのステップアップも、特記事項というより当たり前に取り組む常在課題となった。公募助成は1部門で7件、企画助成は2部門で5件、そろそろ試験運用期間に区切りをつけたいスポット助成で過去最多5件の支援を行なった。
abtの運営
- 主要3部門の公募助成と企画助成に加えて、3部門に捉われない少額スポット助成を試験運用する基本構成を維持しつつ、設立10周年をきっかけにスタートした連続企画Future Dialogueの定着、メールマガジン「abt news」創刊や共感コミュニティacty開設など、助成に徹する“黒子”からabt自身もアクターになる方針に沿って歩みを重ねた。その一環として、市民活動支援の良き「キュレーター(目利き役)」および「インキュベーター(育成役)」たることを中期的な目標に定めた。
- 前年度からエネルギーシフト部門でも着手したabt自主企画2件について、試験的なツアーと、予備調査に基づく見直しを行なった。また、新たなファンドレイジング(FR)5年計画は、単発・継続寄付や遺贈寄付の受け入れを含む初年度実施と並行して、外部の専門家2名と1社の協力を得ながらブラッシュアップを続けた。一方、計画的・段階的に進める創業者モードからの脱皮も着実に具体化している。
- abtウェブサイトの「助成先活動情報」とFacebook発信(年間147本の独自投稿)、2023年度内に第10号まで刊行したメールマガジンを通じて、助成先の企画実施状況や告知情報をタイムリーに伝えた。さらに上記3媒体では、abt自身の告知情報や、“中の人”による独自連載「NGOの文章術」および「絵本の中の生きものたち」なども取り上げ、これまでにない広がりと手応えを得た。
- 当法人から派生したジャーナリズム支援市民基金による第4回「ジャーナリズムX(エックス)アワード」の実施を支援した。
- (公財)信頼資本財団の「共感助成」認定団体登録を継続し、寄付者に税控除の利点を提供する一方で、直接寄付の受け皿も拡充を図るとともに遺贈寄付の窓口を開設した。
【実施経過】
2023年3月 | 2023年度「ネオニコチノイド系農薬に関する企画」公募助成は、オンラインによるプレゼンテーションと二次選考を経て7件採択。2023年度企画助成は、ネオニコチノイド系農薬問題部門1件、エネルギーシフト部門4件、東アジア環境交流部門1件採択(東アジア部門の1件は後日、助成先の事情で辞退)。 |
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4月 | 2023年度の各助成先において企画実施スタート。2022年度の助成先から最終報告書と収支報告書の提出。 |
5月 | メールマガジン「abt news」創刊第1号配信(以後、毎月1回発行)。定時社員総会で2022年度事業報告および決算報告を承認。2023年度第1回理事会開催。 |
6月 | 2022年度「ネオニコチノイド系農薬に関する企画」公募助成8件の成果報告会を開催。2022年度2022年度事業報告と決算報告を公開(全助成先の最終報告および収支報告と共に)。 |
7月 | 東アジア環境交流部門の助成戦略策定準備。 |
8月 | actyコミュニティの始動に伴うオリエンテーション開催(以後、毎月1回のオンラインWS継続中)。 |
9月 | Future Dialogue第8回「こんなに問題山積なのに、どうして政治に反映されないの?~不可視化される核燃料サイクル問題~」開催。第2回理事会開催。abtの2023年度中間レビュー作成。 |
10月 | 2023年度助成先から中間報告書提出。東アジア環境交流部門助成戦略会合開催。福井県嶺南地域へのパイロットツアー実施(エネルギーシフト部門自主企画)。 |
11月 | 2024年度事業計画に向け理事会+スタッフ合同リトリート開催。助成3部門の審査委員と2024年度の助成方針など意見交換。2024年度暫定事業計画&予算案策定。 |
12月 | 2023年度「ネオニコチノイド系農薬に関する企画」公募開始(全4カテゴリー)。寄付月間賛同イベント「有機農業の日にちなんでネオニコ動画上映会とabt13周年活動報告」開催。abt年忘れオンライン交流会開催。第4回ジャーナリズムXアワード受賞者発表。 |
2024年1月 | ネオニコチノイド系農薬問題部門の公募締切。エネルギーシフト部門と東アジア環境交流部門の企画助成申請受理。 |
2月 | 2024年度ネオニコ公募助成一次選考。2024年度企画助成審査開始。abtの2024年度事業計画&予算案を確定し、年度末の第3回理事会で承認。 |
【abtが直接・間接に関わった主な記事と出版物、時系列順】
(助成先の企画実施年度に合わせて2024年3月分まで含む)
- 2023/3/22 文藝春秋4月号「ルポ 農家が嘆く『有機栽培』の壁」
- 2023/4/1 朝日新聞Be 「フロントランナー 猿田佐世さん」前編・後編
- 2023/4/1 共同通信「『大津波の警告は妨げられた』元原子力規制委、島崎氏が出版」
- 2023/5/10 まさのあつこブログ「東京電力福島第一原発既設の何かの『溶断』で無許可の煙上がる」
- 2023/5/16 まさのあつこブログ「煙の正体:汚染水を薄めるポンプのためだった」
- 2023/6/3 朝日新聞地域版「県中部の水道水から高濃度の農薬検出、昨年8月東大院教授が分析」
- 2023/6/15 サステナブル・ブランド・ジャパン「絶滅危惧種カンムリワシが危機に?石垣島リゾート開発計画に環境保護団体などが懸念」
- 2023/7 北方ジャーナル「“核のゴミ”レポートPART34 最終処分地の選定に向けた『事前調査』をめぐる状況」
- 2023/7/1 現代農業「〈脱ネオニコは止まらない〉果樹農家の脱ネオニコを支えるオーナー制度」
- 2023/7/7 Yahoo!ニュース 猪瀬聖「復活したコウノトリのペアはなぜここを子育ての地に選んだのか《シリーズ・ネオニコチノイド問題を追う》」
- 2023/8/1 Yahoo!ニュース 猪瀬聖「絶滅した国の天然記念物はなぜ劇的復活を遂げることができたのか《シリーズ・ネオニコチノイド問題を追う》」
- 2023/8/22 Table「ネオニコ系農薬の脳神経への影響と農薬リスク評価の仕組み」
- 2023/8/29 NHKクローズアップ現代取材班「農地の4分の1に!? 広がる有機農業」(旧助成先のコープ自然派辰巳さん取材)
- 2023/9 食品とくらしの安全 猪瀬聖「脱ネオニコでコウノトリが復活」
- 2023/9/10 北海道新聞「地域資源でまちづくり 岩内で脱原発公開シンポ」
- 2023/9/23 Yahoo!ニュース 猪瀬聖「国の特別天然記念物トキを蘇らせたのは持続可能な農業だった《シリーズ・ネオニコチノイド問題を追う》」
- 2023/9/28 湘南人「湘南の砂防林を守る農薬は必要?農薬散布中止を求める署名運動と自治体の対応をレポート!」
- 2023/9/29 秋田魁新報社「社説:ネオニコ系農薬 使用抑制の検討、早急に」
- 2023/10 フジエダオンパク2023秋「12月は博物館前のイベント広場で! れんげじオーガニックマーケット」
- 2023/10/7 秋田魁新報社「秋田県内『脱ネオニコ』模索の現状はコメ農家『使わざるを得ない』、消費者団体『連携して具体策を』」
- 2023/10/16 秋田魁新報社「秋田市の水道水からネオニコ、EU基準の8.7倍5月に『X市』として公表、東大院などのグループ」
- 2023/10/28 秋田魁新報社「ネオニコ検出受け、水道水の農薬濃度調査求める市民グループ、県に要望書」
- 2023/11 北方ジャーナル「“核のゴミ”レポートPART36〝原子力マネー〟に頼らない地域づくりをめざす試み」
- 2023/11 食品とくらしの安全 猪瀬聖「佐渡島ではトキが復活」
- 2023/12 食品とくらしの安全 猪瀬聖「水道水からネオニコ」
- 2023/12/1 ウェブ版月刊JA「トキとの共生に向けて環境保全型農業に取り組むJA佐渡」
- 2023/12/8 秋田魁新報社「水道水のネオニコ濃度、秋田市が独自検査へ『不安解消目指す』」
- 2023/12/8 毎日新聞「原発は温暖化対策の『切り札』か識者が指摘する気候変動のリスク」
- 2023/12/8 主婦連合会「【意見書】健康・環境被害防止のためネオニコチノイド系農薬の販売・使用の禁止に向けて早急な規制措置を求めます」
- 2023/12/10 読売新聞京都版「ゲンゴロウ郷の米 食べて 京丹後農家×龍大 生物すみやすい田」
- 2023/12/20 消費者リポート「農薬による人体汚染が明らかに」
- 2023/12/27 選挙ドットコム「【STEP映画会】1/12(金)『静かな汚染ネオニコチノイド』のお知らせ」
- 2023/12/29 猪瀬聖 Yahoo!ニュース「洗っても落ちない農薬がEUで禁止に 日本はどうする? ≪シリーズ・ネオニコチノイド問題を追う≫」
- 2024/1/10 猪瀬聖 Yahoo!ニュース「10年で組合員数も売上高も倍増 関西の小規模生協なぜ人気 ≪シリーズ・ネオニコチノド問題を追う≫」
- 2024/1/12 高島市広報「高島市農業の未来を考える 田んぼの生き物調査報告会2023年度」
- 2024/1/28 サカナト「日本の魚が消滅する? ネオニコチノイド系農薬に『待った』シンポジウムで白熱」
- 2024/2/2 つり人オンライン「『ネオニコチノイド』を使わない水辺に優しい農業の可能性を探る/第1回 埼玉県川越市・髙梨農園のケースより」
- 2024/2/8 中日新聞「佐鳴湖ガイドブックが完成」
- 2024/2/9 中日新聞「【農を考える田んぼ記者が聞く】(7)医学博士 木村-黒田純子さん ネオニコ系農薬に警鐘」
- 2024/2/9 朝日新聞「先行き見通せない核燃料サイクル 六ケ所再処理工場は6月完成断念」
- 2024/2/14 Yahoo!ニュース「能登半島地震であらためて露見した日本で原発を続けることの本当のリスク/松久保肇氏(原子力資料情報室事務局長)」
- 2024/2/18 TBS・JNN NEWS DIG「原発“核のゴミ”最終処分場どこに…10万年安全な場所ある? 『破綻』指摘される核燃料サイクルとは?【サンデーモーニング】」
- 2024/2/22 北海道新聞「核ごみ『能登地震受け危険性検討を』NPO法人などが経産省作業部会に提言」
- 2024/2/28 小山市広報「2023年度NPO法人民間稲作研究所公開シンポジウム『気候変動下における食の生産と消費を考える』」
- 2024/3 食品とくらしの安全 猪瀬聖「ネオニコ規制強化、望み薄」
- 2024/3/9 東洋経済オンライン「人への影響が疑われる『ネオニコ系農薬』に迫る 映画『サステナ・ファーム』が斬った日本の農業」
- 2024/3/11 しずおか農山村サポーター「【藤枝市】れんげじローカルアクション:第3回学習会 どうして農薬?なぜ遺伝子操作?豊かな食って何だろう?」
- 2024/3/19 Yahoo!ニュース 猪瀬聖「小学生の尿から殺虫剤成分を検出 民間団体が50人に調査 対策の必要性訴え」
- 2024/3/29 週刊プレイボーイ「北海道寿都町&神恵内村『核のゴミ処分場』候補地で『90億円の交付金』と『放射能のリスク』の間で揺れる住民たち」
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